化粧品・研究開発者の三谷てるみさんにインタビュー!
1.大人のニキビについて


極上のコスメ


 「ドクターズコスメ」という言葉を最近よく耳にするようになってきました。

 もともとはアメリカの化粧品メーカーが打ち出したドクターズコスメが美容マニアの間で話題となり日本にも浸透したのが発端のようです。今では日本人の肌を熟知する日本人ドクターの開発したコスメも数々登場しています。
 しかし、「目に見える効果」だけを優先し、「肌のトラブルに悩む人でも使える優しい処方」が特長です。従来の化粧品や海外ブランドとは一線を画す日本のドクターズコスメは、現代女性のライフスタイルで複雑に変化した肌トラブルに悩む女性たちの間で口コミで広がっています。雑誌などのメディアでも特集が組まれ、新時代のコスメとして発展を続けています。

 今回は美容セレブたちの間で定評であるコスメを作りだしている皮膚科学・香粧品科学研究者である「三谷てるみ」さんにインタビューしました。


AREA373
 20才代になり“ニキビ”に悩んでいるのですが、大人になっても“ニキビ”はできるのでしょうか?
三谷 てるみ
 私の作る化粧品は本来、アトピー素因を持つ乾燥肌の私が、自分のために、贅沢に創った処方を基にした化粧品です。お気に召してお使い頂いている方の中にニキビの方がいて、そして美容液がお役に立っていることが解りました。カウンセリングでお肌の悩みを伺った方の中にもニキビの悩みが多くあります。大人になっても“ニキビ”はできるのです。
 いわゆる“大人のニキビ”です。好発年齢は25歳くらいから40歳くらいまで、結構頑固で、顎や頬のフェースラインに大きな皮疹が出来ます。そして日本には benzoyl peroxide のような安くて良い薬がありません。

 日本にはニキビ用の外用剤の優れたものが少なく、硫黄カンフルローションに代表されるような旧態依然とした製剤しかありません。以前皮膚科学の恩師須貝先生と共同研究で20%アゼライン酸のクリームを作り重症のニキビの患者さんに塗布して、その有効性を検証したのが、おそらく日本で最初のニキビ用の特効薬だったのではないでしょうか。そのときの経験や、名古屋大学の早川先生のお仕事に協力したときに作った製剤など、ずっと暖めていたものに加えて、今回、さらに発展させた“大人のニキビ”用の製剤を処方してみました。

 無いなら創っちゃおう!と言うことで今回処方してできあがったのが「トレジャー AC スポッツ」です。自由に、有効成分を高濃度に配合しようとすると、またしても医薬部外品ではなく化粧品で出さなければなりません。“アクネ”とか“ニキビ”とかの文言が使えないのが残念ですが、仕方ありませんでした。
 「トレジャー AC スポッツ」については次のページでご紹介します。


AREA373
 25才をすぎてからニキビになる人が案外多いのですね。お肌のトラブルの中で結構ニキビが嫌なんですよねぇ〜。デートの日とかでプッと大きなニキビができていると気になってブルーな気分になりますから上手くスキンケアしたいものです。


AREA373
 ニキビについてもう少し詳しく教えてください。
三谷 てるみ
 青春のシンボルとか言われるニキビ、また25才を過ぎると吹き出物などとも言われるニキビ・・・。しかしニキビは新生児から老人までそれぞれの年代で、生理現象の一つとして経験します。ニキビはご存知のように男性ホルモンの影響を大きく受けます。思春期に男性ホルモンの分泌量が増えます。しかし分泌量だけなら成年の方が多いわけですし、また皮脂を分泌する皮脂腺も大きくなってきますが、皮脂腺の大きさや皮脂の分泌量なら、これも25才ごろの方が大きいのです。ですから男性ホルモンの分泌量(例えば血中濃度)が大きければニキビがたくさん出来るというものではありません。それは分泌量より、それを捕らえる皮膚側の受容体(レセプター)の感度がニキビの発症と関係があるようです。そこでこの不思議さをよくホルモンの“バランス”と言う絶妙な言葉で表現する所以です。
 ニキビの発症には色々な因子が複雑に関与しています。毛穴の入口を塞いでしまう角化因子、男性ホルモンを中心とする内分泌因子、細菌因子、ストレスや精神・神経的な因子、遺伝的な素因、年齢、化粧、機械的刺激、食事などです。


AREA373
 25才をすぎてから出るニキビはホルモンバランスが影響しているのですね。それに現代人には多いストレスにも影響するのですね。ストレス、食事、スキンケアにも気をつけないといけないのですね。


AREA373
 その“大人のニキビ”と“青春のシンボルのニキビ”ってどう違うんですか?
三谷 てるみ
 さて“大人のニキビ”と呼ばれるものと“青春のシンボル”の違いはその好発部位と季節です。“青春のシンボル”は顔全体にパラパラとでき、春から夏に掛けて気温の上昇に伴って皮脂の分泌量も増えニキビも悪化するようです。一方“大人のニキビ”は顎や頬・口の周りなど、ひげの生える部位に一致して大きな皮疹がポツポツとできます。悪化季節は特にないように見えます。そして何より仕事や子育てなど多忙・ストレスなど他の因子が影響しているようです。また皮脂の分泌が少ないヒトにもみられ、乾燥を伴っていることが特徴です。ですから“青春のシンボル”はできなかったのに“大人のニキビ”はできたというヒトも多く存在します。
 一般にニキビのスキンケアは乱暴な言い方をすれば“カサカサにして治す”ので、乾燥を伴う“大人のニキビ”やアトピーのヒトに時々見受ける“青春のシンボル”の治療には向きません。“大人のニキビ”には保湿を充分にしながら、ニキビにのみ適応する方法をとります。また“大人のニキビ”はストレスが大きく関与しているようですが、頬や顎など手で触ることが多く、嗜壁になっていることも悪化の要因です。一般にニキビに悪い食べ物として、甘いものや刺激物が言われておりますが、直接の悪化原因になったというデーターは詳しくは存じませんが、有名な論文としては見たことが有りません。食餌については皮膚も身体の一部ですので少なからず影響を受けていますが、研究はこれからだと考えております。


AREA373
 大人のニキビ”と“青春のシンボルのニキビ”には違いがあるのだから、その年齢に合った、自分に合ったスキンケアを考えなければいけませんね。



1.大人のニキビについて
2.ニキビにきくコスメの紹介



三谷てるみ 三谷てるみ(みたに てるみ)
1948年生、京都薬科大学薬学科卒
薬剤師・皮膚科学・香粧品科学研究者


大阪回生病院皮膚科の須貝哲郎博士に師事、化粧品メーカーにも籍を置いて臨床的な研究を重ねる。
1995年に「美しい素肌は最高のおしゃれ、女性の宝ものである」というコンセプトでトレジャーを研究開発、そのすべてを手がけている。
● 主な論文:
「乾燥性皮膚症における保湿剤の効果(-皮膚-Vol.28,No.5'86)」「DermaflexAとDermascanA測定値からみた部位差、性差および加齢による変化(-香粧品会誌-Vol.14,No.2'90 )等があり、講義、講演も多い。
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